カフェのメニューでよく見る「ジェラート」とは?由来や歴史、味などを解説

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カフェのメニューでよく見る「ジェラート」とは?由来や歴史、味などを解説

夏といえばアイスですが、コクのあるジェラートもおいしいですよね。最近は見た目もかわいいジェラートも増えています。このジェラートの名前の由来などをご存じですか?
本記事では、ジェラートを名前の由来や成り立ち、味について複数の観点から解説します。ジェラートの背景を知れば、もっとおいしく味わえるようになるかもしれませんよ。

1.ジェラートとは何か

ジェラートとは、果物、牛乳、砂糖などをかき混ぜて凍らせたデザートで、イタリアでは国民食として愛されています。映画『ローマの休日』でも、主演を務めたオードリー・ヘップバーンが食べたものとして、世界的に有名です。

 

名前の由来はイタリア語で「凍った」という意味から取っています。フィレンツェ発祥であり、シチリア諸島では、ブリオッシュに挟んで食べる習慣が有名です。

 

その見た目から、アイスクリームやシャーベットと一緒かと思う方もいるようですが、この2種類とは明確な違いがあります。

 

1-1.ジェラートとアイスクリームの違い

ジェラートとアイスクリームは、空気含有量を意味するオーバーランやカロリーなどが異なります。アイスクリームは口元に冷たさを伝えすぎないように、ふんだんに空気泡が混ざっており、60100%の空気含有量も珍しくありません。一方のジェラートは、35%未満が標準とされています。

 

カロリー面でも、ジェラートはアイスクリームよりも低くなっています。アイスクリームは乳脂肪分が8%以上であるのに対し、ジェラートは48%しかありません。そのため、乳製品の成分規格に関する法律でも、ジェラートは「アイスミルク」と定義されています。

 

1-2.ジェラートとシャーベットの違い

ジェラートとシャーベットは、見た目から異なります。シャーベットは果物など材料をピューレ状にしてから凍らせ、文字通りに凍ったお菓子のような見た目にします。ジェラートはかき混ぜたものを直接凍らせるため、アイスクリームのようなビジュアルになります。

 

ジェラートは48%の乳脂肪が含まれるのに対し、シャーベットはさらに低く、3%未満がほとんどです。シャーベットは牛乳を使っていてもアイスミルクとは見なされず、「氷菓」などと定義されます。

 

2.ジェラートの歴史

ジェラートに関する最も古い記述は、旧約聖書とされています。このときは氷雪で冷やしたミルクシャーベット風の飲み物と表現されていたそうです。その後は「ドルチェ・ヴィータ」と呼ばれる雪をベースに花水、果汁、ハチミツなどを混ぜた飲み物として、ローマで親しまれていたとされます。

 

一方、マルコ・ポーロの『東方見聞録』では、彼が北京でアイスミルクを味わったという記述があり、これがジェラートの元ではないかという意見も見られます。ポーロは北京で飲んだアイスミルクの作り方を伝え、ヴェネツィア、ひいては北イタリア全土で有名な文化になったことが語られています。

 

15世紀初頭には、メディチ家の令嬢カトリーナがアイスクリーム職人も含めた専任シェフとともに、後のフランス王アンリ2世となるオルレアン公に嫁ぎました。婚礼の席で振る舞われたアイスデザートが評判となり、フランスからヨーロッパ全土へと広がりを見せたとされています。

 

以上のことから、シャーベットとともにジェラートはイタリア発祥となり、ヨーロッパ全土、ひいては全世界へと広まったと考えられています。

 

3.ジェラートの味

ジェラートはアイスクリームよりも密度が濃いために、コクのある味わいを楽しみやすくなっています。味の基本と呼ばれる甘味、旨味、塩味、酸味、塩味のバランスが整うと、コクがあって美味しい状態になります。

 

アイスクリームのように冷たさを調整するほどの空気が含まれていないので、ジェラートはバランスの優れた味わいを楽しめます。アイスクリームより低カロリーでヘルシーにも関わらず、満足な味を実感でき、さらにおしゃれデザートとして、ハイクオリティなものが多くみられます。

 

アイスクリーム同様、ジェラートにもさまざまなフレーバーがあります。特に地産地消の果物などを使ったものは素材の鮮度がダイレクトに伝わってくるので、ほかのデザートには見られない深い味わいが期待できます。

 

4.ジェラートはカフェでも楽しめる

ジェラートは専門店やアイスクリーム屋さんで主に見られますが、カフェでもメニューのひとつとすることが多く見られます。カフェ独特のおしゃれな雰囲気でジェラートを食べれば、アイスクリーム専門店とは違う味わい方を楽しめます。

 

特に夏の暑いときや疲れで喉が乾いたときには、ジェラートが効果的です。バランスの取れた味と純粋な冷たさが舌や喉を伝っていく様を想像してみてください。カフェの落ち着いた雰囲気にも助けられ、ストレスが優しく癒やされていくのを実感できるでしょう。ジェラートを味わうことで、ひと時の癒しを感じることもおすすめです。

 

5.まとめ

ジェラートは果物をはじめとしたさまざまな材料を混ぜたものを冷やしたアイスミルクのひとつとされます。アイスクリームのように空気を含まず凝縮しているので、コクがあります。乳脂肪分も少なめなので、ヘルシーなものを美味しく楽しめます。

本記事を通してジェラートに興味を持ったら、 福岡県大牟田市草木にあるスイーツカフェ「Patisserie plantes(パティスリープランツ)」にお立ち寄りください。八女抹茶などを使った地産地消系のジェラートも用意しており、濃厚かつ鮮やかな味わいを楽しめます。